はっぴーママメディカルQ&

Q1. 産後ゆううつでやる気がおきません

 妊娠、出産による急激なホルモンバランスの変化は、女性の体調と共に心にも大きな影響を与えます。うれしいはずの出産というライフイベントは、新しい生活への期待と不安の中、慣れない育児、授乳などによる睡眠不足などのストレスにもなり、産後にうつ状態となるお母さんはかなりの割合でみられます。

 出産直後、多くの女性は気分が一時高揚しますが、やがて涙もろくなったり、ゆううつな気分におそわれたりすることがあります。日ごとに体力が回復し、自然と育児にとりくめるようになることもありますが、ときには心身の回復が遅れ、産後うつ病となり長引いたり、こじれたりすることもあるので注意が必要です。

 ゆううつな気分、意欲、食欲、集中力の低下、不眠、イライラ、つかれ易さ、動悸、息切れ、胃腸症状などが持続したり、ものごとを悲観的に考え、とくに子どものことを強く苦にしたり、言動にまとまりがなくなるなどの症状があれば、早めに専門医に相談することをおすすめします。

 

Q2. 産後のうつ病は治りますか?治療法も教えてください。

 うつ病は適切な治療を受ければ、ほとんどよくなる病気で、産後うつ病も同じです。うつ病の治療は身体の病気の場合と同じように考えなければなりません。うつ病のべースには心身の疲れの蓄積があるので、休息して疲れをとることがまず必要です。気のもちようと考えて精神力でがんばって治そうとしてもうつ病は良くなることはなく、かえって悪くなってしまいます。休息のとりやすい生活をしながら、薬物療法と心理療法を受けることが効果的です。最近は副作用が少なく効果のすぐれた薬が開発されており、ゆううつな気分や不眠、自律神経症状(頭痛、動悸、胃腸症状、イライラなど)は薬物療法によってかなり楽になります。

 また、うつ病のときは、何事も悪く考えてしまいがちで一人で悩んでいては悪循環におちいります。このようなときは自分の気持ちを開放するカウンセリングや考え方の歪みを修正する認知療法などの心理療法が有効です。

 

Q3. 周囲(家族)の対応はどうしたらいいですか

 周囲の方々がうつ病について理解しているかどうかで治り方もずい分違います。うつ病の治療では休養が必要なのですが、産後うつ病の場合は育児がからんでくるので周囲の方々の理解と協力が特に大切です。周囲がよかれと思って言ったりしていることが、逆効果のこともしばしばあります。たとえば「がんばって!」とはげますことで、うつ病の人はお尻をたたかれているように感じてあせってしまうことが多いですし、気分転換に遠くに出かけたり新しいことをはじめたりすると、結局疲れがたまり良くなるのが遅くなります。基本的には周囲の方々は本人が良くなっていくのを待って見守ってあげる姿勢が望ましいと思います。

 病状に応じて育児、家事などの支援も必要になりますが、一人ひとり環境や条件が違うので周囲の方々も本人と一緒にカウンセリングを受けることで、病気への理解を深めることが大切です。病状の理解に基づいた協力により、産後うつ病はより早く良くなっていきます。

 

Q.4 お母さんの精神状態は子どもにどう影響しますか

 赤ちゃんにとってお母さんは何よりも大事な支えです。心身共に安定しているお母さんに十分な信頼感を持ち、守られて育つことは赤ちゃんの成長にとても大切なことです。うつ病の状態が悪いまま育児にたずさわっていては本人もつらいし、赤ちゃんも安心できず不安におびえるようになり心身の成長に支障が出てきます。うつ病は治る病気ですから、治療を受けながら病状に応じて赤ちゃんとの関係を無理なくつくっていけば、お母さんは健康を取り戻し、赤ちゃんもすこやかに成長していくでしょう。

 

Q5. うつ病の再発が不安なのですが

 うつ病は治療により良くなることがほとんどですが、ある程度再発には注意が必要です。まず、良くなってもすぐにがんばろうとしないことです。育児は毎日、毎日つづく長い仕事です。

 適度に休息も入れながら自分のペースでやっていきましょう。周囲の方々の理解と協力は再発予防にも大きな力となります。

 また信頼できる医療機関とのつながりを保つことで、再発の不安をやわらげ、のびやかに育児に取り組むことができるでしょう。

 

●加藤先生からのアドバイス

精神的に落ち込むのは誰にでもあることです。おおらかな気持ちで育児に取り組んでください。精神的に落ち込んだり、イライラしたりすることは誰にでもあることです。出産という大きなことをなしとげ、育児をするというのは簡単なことではありません。落ち込んだり、イライラすることは当たり前です。ですから、深く考えすぎず大らかな気持ちで育児に取り組んでください。もし、ちょっと心が疲れたなと感じたら、心を癒す窓口として専門医の扉を開いてみてはいかがでしょうか。

 

 

やりがい・お給料・休日・アフター5etc・・・仕事もプライベートも満たしたい!

私が幸せになれた働き方   ※ケイコとマナブ:12月号

不満を感じているという自覚は「ある」。よくよく考えてみれば、何が原因なのかも「わかる」。
何をするべきかも、なんとなく「見当がついている」。でもイマイチ行動に移せないのは「今の生活を失うリスクが怖いから」。
今の自分に満足はしていないけれど、現状維持・・・そんな人が多いよう。でも一度の人生、本当にそれでいい?

●加藤先生からのアドバイス

あなたの不満や不安は遊び心でチャンスに変わる!

「現状は不満、でも失敗を考えると変えるのは不安。だから今のままでいい・・・」。でもまた不満がわき起こる。この発想に欠けているのは「遊び心」のように思います。どんな遊びやゲームも予想がつかない要素があるから楽しめるのであって、それは人生も同じではないでしょうか?

 しかし、いきなり人生の重大な決断を「遊び」と考えることは難しいですね。まずは自分が楽しめそうな、身近な小さなことから試してみましょう。そこで仮にうまくいかないことがあっても「まあいいか、大丈夫!」と次のステップに進むことが大切です。そのような心の訓練を繰り返すうち、いつの間にかワクワクしている自分に気づくでしょう。この感覚がつかめたら、しめたもの。遊び心を持って生活し自分を取り戻すことで、あなたの不満や不安は「新たな出発にめぐり会うチャンス」へと変えていくことができるのです。