「業界トピックス」より

『さっぽろ心療内科クリニック』 5月6日開院。心に起因する疾患・症状を治療

 ストレスの増大などから心身の不調に悩むビジネスマンは多い。そうした人の心強い味方となってくれるのが、心療内科専門医院として五月六日に開院したばかりの「さっぽろ心療内科クリニック」(加藤亮院長)だ。

 心療内科とは1996年9月に、厚生省から認可されたばかりの新しい診療科目。同クリニックの加藤院長は次のように説明する。「体調がすぐれず内科や外科で診察してもらったが、異常なしと診断された、という経験を持つ人が最近増えているようです。これは心に原因がある場合が少なくありません。心と身体は表裏一体、心療内科はこうした患者さんの受け皿となる診療機関で、心理面を含めた治療を実施し疾患・症状の改善をはかります」という。

 例えばパニック障害。ある日突然、激しい目眩や動悸、手足の震えが出現し、このまま死ぬのではないかという強い恐怖に襲われる。発作は繰り返し起こり、病院で検査してもらっても原因が見つからない。発作に対する不安・恐怖(予期不安)は日毎につのり、ついには鬱状態など日常生活が困難になる、というもの。このパニック障害はストレスなど心理的・社会的要因が症状の発現・悪化に深く関わっており心療内科はカウンセリングなど心理的な療法を含めた診療を実施して良好な結果をあげている。また軽症うつ病、PTSD(心的外傷後ストレス障害)なども心療内科の分野であるほか、身体面の治療だけでは改善が思わしくない慢性胃炎、過敏症腸症候群(下痢)、高血圧症、糖尿病、自律神経失調症といった諸疾患・症状も対象になる。

 治療法は薬物療法と心理療法に東洋医学を加えた三本柱からなる。「治療薬の進歩は近年目覚ましく、例えばSSRI(選択的セロトニン再取り組み阻害剤)といった抗鬱剤は、症状の改善に大きく貢献しています。」(加藤院長)また心理療法では考え方や行動を修正する認知・行動療法やイメージをまじえた治療を実施し、効果を高めている。東洋医学の導入は体質改善による心的好影響を目指すもので、漢方などの考え方が近年、全国的にも注目されており、同院では積極的に取り入れている。

 加藤院長は札医大医学部卒業後、北見赤十字病院第二精神神経科部長などを歴任。北見では、地域の中で問題を抱える人の援助を目的とした「オホーツクメンタルヘルス懇話会」、ユングの思想を学ぶ市民交流会「オホーツクユングの会」精神療法のひとつ森田療法を学び生活に取り入れる「生活発見の会」の代表や協力医を務めるなど、地域医療の充実に尽力したことでも知られている。札幌でも患者・市民とのコミュニケーションを大切にした医療の展開に心がけている。同クリニックが開院した札幌エルプラザは、札幌駅と地下直結でスムーズに来院できるのをはじめ、プライバシーが確保された診察室などホスピタリティのレベルも高く、安心して診療が受けられる。